旧一般電気事業者(小売部門)の予備力確保の在り方について
本件の概要
電力・ガス取引監視等委員会は、卸電力市場の流動性向上の観点から、旧一般電気事業者(小売部門)の予備力確保の在り方について提案を行いました。
1.概要
旧一般電気事業者9社は、「電力システム改革専門委員会報告書」(2013年2月)における整理を踏まえ、自主的取組として、限界費用ベースで余剰電力の全量を卸電力取引所へ投入しております。また、電力システム改革に伴い、発電・小売・送配電の3部門にライセンスが区分されたことを受け、旧一般電気事業者9社は、一般送配電部門が確保する調整力に加え、小売部門がゲートクローズ時点までの自社需要の想定誤差に対するための予備力を確保しています。
電力・ガス取引監視等委員会において、旧一般電気事業者の小売部門が確保する予備力を確認したところ、一部の旧一般電気事業者については、送配電部門と小売部門が確保している電力量(合計)が、小売全面自由化以前と比較して増加していることが判明致しました。
このため、電力・ガス取引監視等委員会は、卸電力市場の流動性向上の観点から、旧一般電気事業者(小売部門)に対し、以下の提案を行いました。
- スポット市場入札時点において、原則として、翌日の自社需要の0~1%相当の予備力を超える電源分をスポット市場へ限界費用相当価格で投入すること。
- スポット市場入札時点以後において、需要の下振れやスポット市場の売れ残りが生じた場合は、原則として、自社需要の0~1%相当の予備力を超える電源分を一時間前市場開場以降に、順次、できる限り速やかに同市場に投入すること。
- 一時間前市場への余剰電源投入について、入札可能量の見直し回数を可能な限り増やすなど、より精緻な取組を行うこと。
- 需要計画及び需要予測の正確性向上を図ること。
- ゲートクローズ時点までに原則として自社需要を超える電源分を全て一時間前市場へ投入すること。
2.取組の継続等に関する改定について
本提案について、旧一般電気事業者の小売部門各社による行動計画に基づく段階的取組の実績報告の結果を確認したところ、移行期間中の大部分のコマにおいて、時間前市場における買戻しを行う必要は生じなかったことが確認されました。また、例外的に供給能力の不足に対応するため一時間前市場における買戻しを行ったコマがあった事業者が存在したものの、予備力を0~1%として以降も含め、広域融通等により安定供給に支障を来す状況は発生しなかったことも確認されました。
このため、北海道
・沖縄を除く地域においては、2018年年11月以降も本取組を継続することを求める改定を行いました。
加えて、(各エリアにおいて相対的に需要規模の大きい)小売電気事業者が極めて大きな供給能力の不足を発生させた事例が2018年2月に生じたことを踏まえ、このような場合における本提案による取組と供給能力確保義務との関係の更なる明確化について、2018年9月、電力広域的運営推進機関から小売予備力GLの見直しが要請されたことから、取組の継続と併せて改定を行いました。(「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」)における合意を踏まえたものです)。
3.添付資料
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旧一般電気事業者(小売部門)の予備力確保の在り方について(2018年10月31日改定)(PDF形式:226KB)
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旧一般電気事業者(小売部門)の予備力確保の在り方について提案を行いました(PDF形式:141KB)
担当
経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会事務局
取引制度企画室長 木尾
担当者:高木、赤坂
電話:03-3501-1511(内線4381~4)
03-3501-1552(直通)
公表日
平成29年11月28日