電力・ガス取引監視等委員会
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電気料金審査専門会合(第1回)‐議事要旨

日時

平成27年9月4日(金曜日)16時00分~18時00分

出席者

安念座長、圓尾委員、箕輪委員、秋池委員、辰巳委員、松村委員、南委員

オブザーバー
全国消費者団体連絡会 河野事務局長
日本商工会議所 産業政策第2部 市川副部長
株式会社F-Power 沖取締役
消費者庁消費者調査課 金子課長
資源エネルギー庁電力市場整備室 小川室長
説明者
北陸電力株式会社 矢野代表取締役副社長 副社長執行役員
中国電力株式会社 渡部代表取締役副社長
沖縄電力株式会社 島袋代表取締役副社長

主な意見

  • 公共料金のルールは分かりにくく、料金を決めるにあたっては公平かつ丁寧な説明をお願いしたい。また、低圧では電気料金のうち託送料金が30~40%と、かなりの割合を占めることから、透明性のある説明、適正かつ公正な審査をお願いしたい。
  • 北陸電力は資料4のP5において、物価上昇率を反映していると説明しているが、これまでも日常的に行われていることなのか。消費者物価指数や雇用者所得指数は今後上昇すると予測しているが、その根拠は何か。また、これらについて、中国電力及び沖縄電力はどう考えているのか。
    • →これまでも政府経済見通しを参考にして、物価上昇を諸元として織り込んでいる。ただし、そのまま全てを織り込んでいるわけではなく、上昇分を抑えられるように経営効率化に取り組んでいる。(北陸電力)
    • →従来の原価算定では政府経済見通しを考慮して物価上昇を織り込んでいたが、今回は、効率化を最大限に織り込むため、物価上昇を考慮していない。(中国電力)
    • →北陸電力と同じく、政府の物価上昇見通しを織り込んでいる。(沖縄電力)
  • これまでの電気料金審査と共通する部分があり、人件費等は当時の議論をきちんと織り込んだ形で申請されていることだろう。この限りでは、論点は比較的少ないのではないか。一方で、小売料金の時は重要でなかったが、託送料金では重要になる部分があり、託送料金でどこまで見ていくのか、その範囲を議論することは重要である。
  • 修繕費の急増については、原価算定期間に入れるべきかどうか論点となる。中部電力の料金審査では問題となった。平準化することは重要であるが、北陸電力が主張するように長期的な視野に立つというDNAが受け継がれているなら、震災直後も継続的に行っていたのか、原価算定期間に入って急に増やし始めたということがないかを確認する。
  • 低圧託送料金において、季時別に料金を展開している点に疑義あり。もともとは、不需要期に発電の部分で固定費が必要ないということに着目をして、小売の料金体系において割引を設定することは理解できる。送配電について、基幹系などで混雑時に併せて考えていくというのはわかるので、特高、高圧で入れるのはまだわかる。しかしながら、低圧において、夜間帯が不需要期か。オール電化の家庭では寧ろ需要が多い時間帯。季時別料金は、送配電設備の効率的利用ではなく、発電設備の効率的利用として説明をしてきたにもかかわらず、送配電の料金においても裁量的に入れていいのか。仮に入れるとしても、少なくとも特高における小売料金と託送料金の違いと同程度で低圧の料金設定がされているのならばよいが、それを超えて割引が設定されるのはいかがなものか。割引率で語るのではなく、額で捉えていくべきだ。ベース電源を圧倒的に押さえている事業者が、他の託送料金にしわ寄せさせるような料金設定をするのは、新規参入阻害になりかねない。
  • 物価上昇率の織り込みは、ある意味で合理的かもしれないが、デフレの時は電気料金を下げていたのかどうか確認する必要がある。
  • 部分負荷運転等に伴う増分費用については精査する必要があるが、揚水発電から揚水発電への持ち替えなどは分かりにくいので丁寧に説明してほしい。
  • 需要地近接性評価割引の地域見直しについては、もともとは地産地消をにらんで検討したもの。結果的にはルールとしては大幅に縮小したもので実施していくことになったが、今般の申請にあたって、事業者は新規参入の電源を狙い撃ちして見直したのではないか、特に対象地域を縮小した事業者については、今の考え方で、このように対象地域を縮小してよいのかということはきちんとした議論が必要。
  • 経年化対策については、原価算定期間で入れるべき原価かどうかを見極めることが必要。減価償却や修繕費をどうやって色分けしていくかの考え方も含め、投資との関係を見ていくことが必要。この中で、3年間がどういう位置付けなのか、長いスパンで見ていかなければならない。
  • 沖縄電力の調整力は額が大きいので、電源の運用も含めて丁寧に審査する必要がある。
  • 新電力としては、託送料金がいかに抑制されるかに関心あり。申請内容によれば、沖縄への参入がより厳しくなる。
  • 設備投資額に、水力発電や火力発電の費用が入っている理由を説明願いたい。
    • →調整力を一定程度のせるという制度改正によるもの。諸元として示したものであり、固定費として全額が加えられるわけではない。(北陸電力)
  • 流通設備の投資額推移について、寿命が来ると送電線が急に劣化するのか。審査にあたってその合理性を見極めてほしい。
  • ブラックスタートの影響について説明願いたい。
    • →ブラックスタートの費用とは、揚水発電所内にあるディーゼルエンジンに係るもの。(中国電力)
    • →資料ではブラックスタートはゼロだが、140万円の数字を丸めてゼロと表記。具体的には小水車の費用を織り込んだもの。(北陸電力)
    • →水力発電がないので、ブラックスタート電源はガスタービン。(沖縄電力)
  • 需要地近接制評価について、基幹系統に連系する電源を特別高圧に連系する電源の1/2と評価している点は合理的な説明が必要。
  • 需要地近接性評価割引の対象地域が託送供給約款に具体的に書かれていない。これまでは約款に記載されていたが変更したのは何故か。
    • →約款では「別途定める地域」として、地図をHPで掲載している。(北陸電力)
  • 仮に「別途定める」と記載された約款を認可した場合は、別途定めること自体を認可したられたものとなる。
  • 送電線は市町村ごとに敷設されているわけではない。市町村で区切るべきなのかよく分からない。
    • →需要地近接性割引については、根本的には継続検討課題と認識。制度設計の議論では、当面の策として、現行の割引制度は存続する、その中で地域設定についてはもう少しきめ細かく見ていくということになり、制度設計WGでは「例えば市町村」とした。行政区分は送配電ネットワークの整備のされ方と必ずしも一致しない部分があるけれども、一定の割り切りを行ったもの。(事務局)
    • →制度を作ることが本会合の仕事ではない。今回は致し方ないのでこの前提に立ってやってみる。実地で不都合があれば別途検討するのだろう。(安念座長)
  • 事業報酬率の1.9%は誰が決めたのか。
    • →制度設計WGの中で議論を行い、震災前の数値を使う等の方向性を示した(事務局)。
  • アンシラリーサービス費を5%から7%に変更した背景は何か。
    • →事務局で紙にまとめてもらいたい。(安念座長)
  • 産業界の電力コストは4割近く上昇している。中小企業の負担は許容の限界にあり、深刻化している。FITや燃料費の上昇がある中で、電気料金の値上げを踏みとどまった3社へは敬意を表したい。

以上

関連リンク

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電力・ガス取引監視等委員会事務局 ネットワーク事業監視課

最終更新日:2016年4月1日
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