電気料金審査専門会合(第9回)‐議事要旨
日時
平成27年11月13日(金)15時00分~18時00分
出席者
安念座長、圓尾委員、箕輪委員、秋池委員、梶川委員、辰巳委員、松村委員、南委員、山内委員
- オブザーバー
- 日本商工会議所 市川副部長
- 株式会社F-Power 沖取締役
- 消費者庁消費者調査課 金子課長
- 資源エネルギー庁電力市場整備室 小川室長
- 説明者
- 北海道電力株式会社 藤井取締役 常務執行役員
- 東北電力株式会社 田苗常務取締役
- 東京電力株式会社 武部常務執行役 パワーグリッドカンパニー・プレジデント
- 中部電力株式会社 松浦取締役 専務執行役員
- 北陸電力株式会社 高林取締役 常務執行役員
- 関西電力株式会社 土井取締役 常務執行役員
- 中国電力株式会社 松岡常務取締役 流通事業本部長
- 四国電力株式会社 長井常務取締役(総合企画室長)
- 九州電力株式会社 山崎上席執行役員 電力輸送本部長
- 沖縄電力株式会社 島袋代表取締役副社長
主な意見
<調整力コスト>
論点a(一部論点gでも関連発言有り)
- 案1、2、3それぞれに理屈はあると思う。まず系統事業者の立場から見ると、確実に確保したい安定供給の発想に基づけば案1になると思う。また、案3も、これはこれで合理的。しばしば良く分からないものを2分の1としてきたことから、それほどおかしくはない。理論的に何が良いのか分からないという中で、現状を変えることが怖いため、現状の5%を維持する案Bも分かる。また、今まで一般電気事業者は8%を安定供給のために確保した上でスポット市場に出している。そうすると、今まで5%は系統側で確保していたのだから、その差分の3%は小売対応であったはず。すると、全体で7%のうち、3%を差し引いて4%という案2´の考え方もありえる。安定供給を担ってきた、特に中給を管理している人の発想からすると7%というのは誠実なことだと思うが、一般電気事業者としてはどうなのかを考えて頂きたい。いままで、一般電気事業者は、制度設計WGを含めて、小売において供給力を確保しなければならないということを執拗に繰り返し主張してきた。そして実際にそういう形になってきた。安定供給のために小売の責任も必要と主張し、需要を超える部分でも必要と一般電気事業者の専門委員が主張してきたのに、小売部門があてにならないからゼロというのはいかがなものか。小売として一定程度確保するという発想は間違っていないと思う。現状を変えないという意味で5%という案2を現時点では支持する。しかし、現状を変える案である7%が正しいと主張するのであれば、案3も考えられる。
- 7%をどう分けるかについて、ロジカルにこれが正しいというのはない。ただ言えるのは、小売がゼロというのはおかしいと思う。小売だってそれ相応の努力はされるはず。従来の考え方の5%を踏襲して、5%と2%という方が、7%と0%というよりは適正ではないか。
- 7%について、電事法上の義務は一般電気事業者として大きな括りで課せられてきた。今後は、発電事業者と小売事業者、一般送配電事業者の義務の担い手が特定される。仮に、一般送配電事業者の義務は周波数・電圧維持義務だが、小売の供給力確保義務も義務だが、義務の履行の仕方が曖昧。そのため、周波数維持義務について、小売事業者の義務を代替せざるを得ないと各事業者が考えているのではないかと理解した。(安念座長)
- →トランザクションみたいなものが起こる時に、確実に回収するというのはある程度理解できる。
- 制度設計WGでも発言をしたが、今までは運用断面で必要な調整力として5%であったが、年間断面では必要な予備力は7%。では2%は何かというと、実運用断面までに電源トラブルにより減少するリスク。今回の整理では小売は需要に見合った供給力はみるが、予備力は持たないという整理になったと理解。このため、予備力の7%を全て送配電が持つと理解して、今回の料金算定をした。今まで2%は小売側が持っていたが、これからは送配電が持つという整理だと理解。(東北電力)
- →今の理解は全く異なる。先ほど説明した通り、このことは第2段法案を提出する際 に、国会で大変議論になった。スライド6にある通り、小売の供給力確保義務について予備力は持たなくていいということではない。当然のことながら、計画値同時同量とは1時間前の断面までは需要に追従する供給力を持つことが前提であり、その場合の上げ代は確保することになる。したがって、小売の予備力はゼロではない。今の一般電気事業者の「一般需要に応ずる」という中で予備力を確保することと同じ。(都築課長)
- 今般の制度改正では、計画値同時同量により、小売電気事業者とNWでそれぞれの安定供給の義務を果たすことが前提だが、多様な小売事業者、発電事業者が新規参入し、同時に再生可能エネルギーも入っていくのであれば、今後、広域機関がエリア及び事業者の需給をチェックし、状況を見て負担を変えていくということだと思う。また、仮に一般送配電事業者の負担を5%とするなら残り2%を広域機関などで、事後チェックをする仕組みが必要。(中部電力)
- エリア調整義務をしっかり果たしたい。広域機関でも検討中で、実績が出ていない中で、お客様に最終的に迷惑を掛けられないので、確実性という観点からは現時点では妥当なものとして申請案を認めて頂きたい。(関西電力)
- →制度設計WGで議論を頂いた際には、この7%自体が昭和62年の古いルールであるため適切かという議論があったが、他方で、そうすると依って立つものがないため、まずはこれを基礎とするものの、広域機関が設立されたらすぐに見直しに着手し、託送料金の方もこれを踏まえ見直すという整理であった。したがって、広域機関で議論しているので今の段階ではという議論ではない。(都築課長)
- 北海道電力としては、実需給断面における需給変動は当社の場合7%であり、これに対応する年間断面でも7%が適当と考えている。(北海道電力)
- ここではコストの話をしているのであって、実際の運用の話をしているのではない。実際に沖縄で大電源により固定費の18%にあたるような多額のコストが発生したとしても、それをNWで全て負担するものではない。大電源を設置したことでメリットがあったのだから、その分はNWではなく小売で負担すべきということ。それから、7%というのは、調整するあらゆる電源の固定費の7%を織り込むということだが、例えば予備力を確保することだけを考えれば、固定費は安いが可変費は高い石油であれば5%のコストでも7%の容量を確保することは十分できるはず。予備力の確保において電源構成と同じ割合で石炭とかが入っていないといけないのかさえ思う。料金上は5%しかコストが認められないとしても、系統運用者が工夫をして実運用上7%を確保することがいけないと言っているわけではない。
- 7%自体はピン留めされている前提で考えると、小売電気事業者が予備力を確保するということがあるのであれば、案2か案3しか考えられない。取引慣例的原価計算をやってきているなら、案2の5%を採用していいのではないか。案3の1/2は、なにも分からないときにとる手法。
- 論点aは基本は案1or2のどちらかで議論を収斂させる。北海道、沖縄については根拠を考える必要。7%の根拠については事業者から説明があったが、私の理解としては義務の重複が発生せざるを得ない。電気事業法がわざわざ供給力確保義務を定めているということは、単なる民民の契約とは違うということを言っているのではないか。というのは小売事業者とユーザとの間で供給義務があるのは当たり前の話。それは契約上の義務。一方で、契約上の義務の不履行は損害賠償をするということになる。つまり給付がなされないことが予め見こまれている。電気事業者が課している供給力確保義務というのは、ユーザに対する義務というだけでなく国家に対する義務のようなものであって、一義的に必要な量を確保しなければいけない。一方で、小売事業者が確保しなくてはならない予備力があるならば一般送配電事業者に入らないのかがここでの論点。山内先生はトランザクションコストといったが、重複が生じてしまうということがありうると個人的には認識。(安念座長)
論点b-ⅰ
- また、可変費については、運用実態に合わせればそれに越したことはないが、それにはあまりにコストがかかる。数が限られると会社ならばともかく、大規模な会社では細かく見ていくと作業もコストがかかるため、一定の閾値でよいのではないか。
- 機械的に同じ判定条件を用いることは極めてフィージブルではある。一方で、閾値を1%とするのか、3%とするのはどうか。各社によって合理的な説明ができれば良い。(安念座長)
- 今までの説明を聞く限りでは、各社バラバラにするほどの理由はない。ひとつの閾値でいいのでは。但し、一概にひとつでいいのかは今までの説明では分からない。
- できれば案2が良いと思うが、手間がかかるのだから案1でもいい。何らかの形で基準を設ければよい。
- 論点bは一括の方が分かりやすい。
- 閾値として一律の5%を使ったらどうかという意見について、当社の申請しているやり方が他社と異なる。ガス火力が多いので、月ごとの運転可能最大出力をベースに3%を下げており、定格出力を用いている各社とは違う。仮に、97%を95%にすると実際には持ち替え運転をしている電源が外れ、影響が大きい。違うやり方について配慮頂きたい。(中部電力)
論点b-ⅱ
- LNGの基地の制約については、関西の姫路については料金審査であれだけ言ったのだから認められないが、他についてはLNGについて十分余裕があるということで了解した。色々な制約が潜在的にはあるはずであるが、メリットオーダーで動かしても十分対応可能な容量があるという説明と理解。ただし、そういうからには、エネルギーシステム全体の改革にあたり、LNG基地の開放は当然受入れるということで良いか。桟橋の制約などの理由を持ち出して、実現不可能な制約ありとは言わないことを確認したい。もし、開放が難しいということならば、このデータについて私は全く納得していない。もし反応がなければ結構。
- →当会議は他の会議に影響を及ぼすものではないので、ここでの発言による拘束力はないとお伝えしておく。(安念座長)
- →当社は運用上制約があるという実態のため、そもそも持ち替えパターンに入れていない。(四国電力)
- →調整に入れていないところについて直接どうこう言うつもりはない
- →目一杯余裕があるかと言われると、発電に対する制約がないという説明であり、それ以上のことは申し上げていない。(中部電力)
- →発電に対する制約がないということは、メリットオーダーで動かせるだけの余裕があるということ。したがって、その量は空いているのか、桟橋の制約がないので受け入れられるということになる。
- →姫路は制約があるものの、堺については制約がないと説明した。需給を見通して供給を確保している。追加調達によって自社分については問題ないが、他社の計画までは見込めていないのが実態。(関西電力)
- →前回も発言したとおり、案2で基本的に良いと思う。
- →この場では、最経済運転について物理的な制約は一部の例を除いて無いと了解。今後の関係性については申し上げない。(安念座長)
- →堺についてはまだ納得していないので、案2の範囲内でもう少し議論すべき。
論点c
- 燃種がまたがっている場合は非常に大変だと思う。案2でよいのでは。
- 価格差については、フル運転のところは入れないということだと思っており、実態がそうだとしてもいれないということ。事務局のイメージで言うならば案2。
- スライド13については、各社の説明では石油の全部とLNG全体の持ち替えとの説明。それも1つの考えではある。実態優先、難しければ簡便法がプリンシプルと理解している。(安念座長)
論点f
- 九州の離島は今回は外すべき。また今後は議論していくべき。但し、地理的に島であるか否かだけではないと思う。今回の九州については8.5万kWだったと思うが、少し節電すればなんとかなるような需給バランスであったらどうなるか等、色々なケースが想定される。そういう状況を今後整理していくことが必要。
論点g
- 沖縄は今までに比べたらずいぶん説得力がある。基本的にはこのままで良い。ただ、LOLP分析の中身が良く分からない。これは沖縄が吉の浦のような大きい電源を持っているからなのか、小さい電源であれば変わるのか、電源構成による違いを確認したい。
- →実際に変わってくる。(沖縄電力)
- →例えば吉の浦のような大規模な電源がなくて、それ相応の電源だけで成り立っているならどうなるのかということを確認した上で、これを認めるかどうかを判断したい。
- →沖縄が他社と考え方を合わせたことは評価、この数字の妥当性は今後判断。(安念座長)
- 固定費の7%問題について沖縄と北海道について異議有り。昭和62年の分析を根拠にして7%が出てきたことは正しいが、これを採用することをワーキンググループで決めたわけではない。あくまで一つの根拠。北海道は他社と同様に7%で申請してきているので、これを変更するのはどうか。仮に案2だとしても、9%から2%を差し引いて7%とする案は納得できない。沖縄電力についても、昭和62年のときの考え方に合わせるということだが、前回明確に議論したように、この小さな系統でこれだけ大きな電源を建てたことは、安定供給を考えるとともに、発電コストも考えたということのはず。電源を大きくすることで発電コストを下げたのであれば、そのコストを系統側に寄せてはいけないと前回発言した。今回の18%強は上限かもしれないが、これほど高いものを認めてはいけない。沖縄電力は、この大きな電源が脱落すると安定供給に問題があるという説明をしたが、では何故こんな大きな電源を建てたのかということがわからない。ただ、建設したことを批判するということではなく、その結果として出てきたコストを託送料金に寄せることはいけないということ。したがって、全ての電源が小さかったならばどうなるか計算をやり直すべき。系統規模が小さいことと連系線がつながっていないことだけを純粋に表したものでないとおかしい。
- LOLP手法について、沖縄は現状の発電機、これまでの過去の発電所の計画外停止を入れ、需要変動、0.3日/月の停電率を入れて計算しているはず。現在は最大来が25万kWのユニットだが、例えば、最適ユニットが10万kWだと仮定すると、おそらく停電確率は下がるので必要な予備率は下がることを、小売分野での効果と考えるなど前提としてシミュレーションすべき。
- 新電力も供給力を確保するのだから、そこを差し引いた上で、案2で良いのではないかという印象。
- 固定費は案2を支持。7%全部は取り過ぎ、半分もあまり論理的ではない。一方で、7%を好意的に解釈すると、安心レベルを高めるということであり、今般のシステム改革で分社化していくということを考えると、7%を安易に削るのもどうかと思う。そうすると、一応根拠のある2%を7%から差し引いて5%という案2ではないか。また、供給力として確保しなければならない新電力のことを考えても、あまり削りすぎるのはよくない。沖縄について、同じ土俵で特殊性を考慮したものと理解。ただ、仮定を置いて計算した場合に、実体的に予備力を確保出来るのかということがよくわからない。その問題がないのであれば、今回は同じ土俵の計算をしてきたということで良いのではないか。
- 沖縄はこれでよいと思っていたが、他の委員の意見を聴いて、計算についてもう少し考えたい。新規参入者の競争環境を整備する観点からは、従来行われた投資のメリットを新規参入者が享受できないような取引条件は競争阻害要因になるのではないか。疑わしきは新規参入者に有利にすることが基本だと考えている。
- LOLPの算定数値については、この数値で各社の7%と同じ土俵に乗せたと考えており、他社の7%の議論で変わるものと認識している。また、電源が当社系統規模に対して大きいのではないかとご意見を頂いているが、例えば他社と同じような系統規模に対する比率で発電所を建設したり、もしくは、電源が脱落をしても停電が起こらないように発電所を作ると、2万~3万kW程度のものすごく小さな発電所を大量に持たないといけなくなる。地域の電気料金を下げるためにはこのような電源が必要だという点はご理解頂きたい。(沖縄電力)
議論のまとめ
- 論点a:基本は案1、2のどちらかに。委員の多くは案2、事業者は案1。北海道、沖縄は継続検討。
- 論点b-ⅰ:発電所の運用実態に合わせても良い。但し、実質的にできるかという問題がある。そのため、各社統一の閾値を設ける方向。
- 論点b-ⅱ:案2
- 論点c:理論的には案2。引き続き議論。
- 論点d:1/2は確たる根拠はないが、全体として了解したと認識。
- 論点f:積極的に算入すべきという意見はなし。/沖縄:労に感謝する。数字の見直しを継続実施。
<レートメーク及び検討を深めるべき論点について>
- 第一に、今回は議論できないことは分かっているが、特高、高圧、低圧の配分に関して大きな問題が残っている。需要地近接性評価割引でも出てきたが、高圧でつなぐ時は、特高の建設費を減らせないので割り引かないとしたはず。電力会社の責任ではないことは分かっているが、問題があることは認識して欲しい。
- 指摘事項については、質問に対して答えていない。高圧以上の電圧のNW設備については、昼間ピークとなっているので、昼夜間格差がつくのは理解できるし、高圧以上の電圧のNW設備についても低圧需要は利用しているので、同程度の格差がつくのは理解できる。一方で、今回のレートは高圧の昼間と夜間の単価差以上に低圧の昼間と夜間の単価差の方がはるかに大きいのはどうなっているのか。典型的な事例として、オール電化住宅を考えた場合、IHを利用する夕方や温水器を利用する深夜にピークが来るので、設備投資の節約にならない。柱上トランスのようなところで低圧全体のピークは昼間ですと言われても、無関係ではないか。オール電化で、夜間に電気を使うことによる配電の効率化は無いのではないか。オール電化料金の昼夜間格差は、送配電の効率化によるものではなく、発電固定費の負担格差によるものと説明していたのは何だったのか。低圧全体を見たらそのようになりましたというのは、到底納得できないので、きちんと説明してほしい。相当深刻である。一般電気事業者は圧倒的に電源を押さえているので、オール電化住宅も押さえるはず。オール電化住宅に対する小売供給の価格優位性があり、託送の夜間料金を安くすれば、小売部門は儲かるし、NW部門は夜間料金を安くした分を他に付け回せば収支に問題ないので、託送の夜間料金を安くするインセンティブがあることに留意が必要。きちんとした説明を要求する。
- 指摘事項4について。小売には力率割引があり、適切な力率を維持することをお願いしている。その一方で、託送ではボリュームが少ないから割引をしない、という説明になっている。低圧の動力のお客さんは力率割引がなくなるのか。ボリュームが少ないのであれば、なおのこと低圧については、力率も改善されているし、適切な力率の維持をお願いする必要はないのではないか。
- 1点目として、小売料金はどうかという点については、経過措置料金では力率割引が当面残る。託送料金では力率割引は設定しないので、その分は小売事業者が負担を負う。
- 2点目として、力率割引の規定をする必要は無いということに関しては、原則論では、需要側も力率改善の努力をしてもらいたい。現実には、負荷設備一つ一つについて、コンデンサがついているか確認している。これまでは、電力会社が直接お客に対して確認できたが、今後は、NW事業者が小売電気事業者を介して力率の確認をすることになるので、新規参入の小売電気事業者の負担にもなるので外した。全体的な影響度は小さいと考える。(中国電力)
- 託送料金の中で暫定的に割引が無くなるのはおかしいのではないか。
- 力率改善されたものがベースになっているので、それを基にした原価を今算定している。そのため、これにより総原価が変わるわけではないという点はご理解いただきたい。(中国電力)
- 農事用、窯業に関する昔の適用が今でも残っているということ、そして、全体の中ではごく一部の話ということで理解した。(安念座長)
- 子会社等取引を中国電力と同じ算定式で計算すると▲0.2%になり、原価に織り込んでも(調達低減率の)▲7.0%は変わらないという説明について、致し方ないという雰囲気があるという認識でよいのだろう。(安念座長)
<代表契約者制度>
- 代表者契約は、当事者が多数いることを前提とした上での契約である。したがって、代表者との1対1ではなく、多数いる当事者との合意をとるために協議というプロセスを入れている。(東京電力)
- もともとは全ての接続契約に関して連帯責任としていたが、負担の重い接続負担金などは連帯責任の範囲から外した。インバランス料金などを中心に、連帯責任の範囲を限定した。また、万一問題が生じても、広域機関のADR機能を利用できる。今後も制度の合理化には努めさせていただくが、将来のトラブル防止の観点から、連帯責任と協議のプロセスについてはぜひ残させていただきたい。(東京電力)
- →ここでいう「連帯責任」は民法上の連帯債務ということでよいか。(安念座長)
- →そのように考えている。(東京電力)
- この実務が新電力にとって良いのかどうかという点は別としても、今東京電力が説明した点はこの約款からは読めない。これまでの約款と照らし合わせても、インバランス料金以外の金銭債務は連帯責任から外れるとは読めない。この規定ぶりでは、事業者は、連帯責任を負うのではないかという不安を払拭できないままバランシンググループを組まないといけない。バランシンググループを組む際に不具合が出る。まずは、何をどうすれば連帯責任を負うのかを明確にする約款にすべき。また、「帰属する」と書いてあるにもかかわらず、個々が負担するものがあるというのはかなり矛盾した記載。
- そもそもここで問題になっているものは連帯債務なのか。その範囲はどこまでか、連帯債務なのに代表者に帰属するというのはどういうことなのか。他社の債務を重畳的に債務引受けするということか。(安念座長)
- この場で議論するのはあくまで法が定める認可要件の問題に限られるが、その前提として、このような取扱いをすることが合理的かどうかは議論すべき。どこをどのように明確にすべきかということを論理的に整理したい。(安念座長)
- この問題については、実務担当者を呼んでもらうか、何らかの紙にまとめてもらうべき。その上で、このような運用が本当に望ましいのか、ワーディングをどのように明確化するかを検討する。認可要件との関係では、このままでは明確とはとてもいえない。
- すべての債務を連帯債務として負うのではなく、個社ごとに負うという制度自体は良いと思う。この制度において、代表者になるのは我々のような事業者。連帯責任があると、小規模な事業者はバランシンググループに入りにくい。我々がデフォルトしたときには小規模な事業者も連帯して債務を負うことになってしまう。東京電力が口頭で説明した内容については、その表現が明確に分かる形で約款に書いていただければ新電力は喜ぶと思う。
- この制度の考え方については、審査会合でまとめて報告する機会があってもいいかもしれない。検討結果についてはご報告してご議論いただくことにしたい。(安念座長)
以上
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電力・ガス取引監視等委員会事務局 ネットワーク事業監視課
最終更新日:2016年4月1日